人と人をつなぐ
触媒となり、
また新たな化学反応を。

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MICHITERU WATANABE

渡邊道輝 (2020年新卒入社)

グループ経営企画局 広報部 コーポレート課
2020年入社/英語英米文学科卒

PROFILE:小学生時代の読書体験がきっかけで、コンテンツの世界に熱中するように。就活では、「人の心を動かす仕事がしたい」という想いを抱いてKADOKAWAを選択。広報部に所属し、社内報編集や取材撮影対応など忙しい日々を送る。

「人の心を動かす仕事がしたい」。

小学5年生のとき、父親の本棚にあった一冊を何気なく手に取った私。それは子どもには少し難しく思われるような、8世紀の東北を舞台にした歴史小説でしたが、ページをめくり始めると物語にぐいぐい引き込まれ、時間も眠たさも忘れて、布団のなかで夢中になりました。気づけば、涙が止まらなくなっていました。本を読んであれほど泣いたのは初めてでした。幼いながらも「言葉だけでこんなことができるのか」と衝撃を受けたのを覚えています。その原体験が、「人の心を動かす仕事がしたい」と思わせたのかもしれません。
現在は広報部に所属。社内外に向けた企業広報業務に携わっています。社内向けでは、グループ社内報を編集したり、社内の連携や交流の仕組みを整えたり。社外向けでは、KADOKAWAグループの企業活動について発信・リリースしたり、テレビ・新聞やWEBなどのメディアからの取材問い合わせ対応や撮影立ち会いをしたりしています。広報というと、文字通り“広く報せる”ことが仕事だと思われるかもしれませんが、私は、この仕事の本質は“人と人とをつなぐこと”にあると考えています。

一つでも多くの
出会いをつくりたい。

KADOKAWA単体でも従業員は2,500人超、グループまで広げると約7,000人規模になります。そのため、社内に“会ったことのない人”、“知らない人”がいるのは当然のこと。しかし、そこで終わりにしてしまうのはもったいないことだと思うのです。まったく別の部署や会社に所属していて今はまだ“知らない者同士”でも、もしもその二人が出会ったら何かすごいことが起こるかもしれない。強い意志や面白いアイデアを持った人はそこら中にいて、必要なのはほんの小さなきっかけだけ、なのでは? そんな想いから、たとえば、社内の様々な人や仕事を特集して取り上げるグループ社内報は、記事を通じて新たな出会いが生まれるように、という方針で作成しています。また、実際に人と人が情報を伝え合ったりアイデアをぶつけ合ったりできる環境づくりにも取組中。オンラインで、いずれはリアルでも、部門・グループを超えた交流を持てるプラットフォームをつくりたいと行動を起こし始めています。
人と人をつなげたいという想いは、社外向け広報においても同じです。KADOKAWAという企業グループを知っていただくことは、数字などの具体的な事実だけでなく、その向こうにいる人や組織の想いも知っていただくことです。メディアやその読者・視聴者の皆さんにKADOKAWAの“人となり”が正しく届くように、情報をその背景にあるストーリーや人の想いとともに伝える。そんな広報活動になるように心がけています。

素晴らしい人、
素晴らしい仕事と
出会い続けていく。

“つなぐ”という意味では、広報部と兼務しているマネジメントコミュニケーション推進室の仕事も共通するところが大きいですね。推進室のミッションは、経営と従業員を“つなぐ”ことで社内にある課題を浮かび上がらせ解決していくこと。様々な取り組みを行っていますが、なかでも特徴的なのは、社長と従業員とが会話を重ねる機会づくり。局長や部長といった階層から新入社員まで、様々な従業員が社長と少人数で密に会話できる機会を継続してつくっています。「職場をもっとこうしたい!」、「今こんなことで困っている」、といった現場の意見を経営に直接届けることができるわけです。そのほかにも、部署の枠を超えてメンバーを募り社内課題を解決するための会議をしてもらうなど、仕組みを作ることで人やアイデアを結びつけ、実現につなげる取り組みを重ねています。
広報の仕事は発見と驚きの連続。例えば先日は、長い年月が経ち劣化が進んでいる映画フィルムの修復・保存に携わる従業員の方に取材させていただきました。撮影当時を知る撮影監督や、国内外のパートナー企業とともに、何十年も前の名作映画を未来に残す取り組みです。「KADOKAWAはこんなこともしていたのか」という驚きとともに、「この取り組みを従業員や世の中の人にもっと知ってほしい」という気持ちがわきました。
必ずしも表舞台には出ないかも知れないけれど、ここには素晴らしい人や仕事、想いがあふれている。これからもそうした出会いに驚かされながら、人と人とをつなぎ続けていきたいですね。ここで積み重ねた経験や人とのつながりは、いつか広報を離れても、別の場所で必ず大きな力になるはずですから。

※記事内容は、取材当時(2021年12月)のものです。